最後のランデヴー（2012~2014)

The Last Rendezvous(2012~2014)

或る科学と祈りの狭間にあるものへの哲学は、なぜ芸術というものがこの世に始まったのかという問いのようなものに感じている。人が生きるのに必ずしも必要では無いが、ヒトが人であるために必要であるものが芸術なのではないであろうか。神も化け物も、人も獣も、嘘も真も、愛も痛みも全て包括し、さながら水の循環のように連綿と流れる営み、それが私たちを生かす美なのではないであろうか。彫刻はある形をこの世に現す仕事であるが、そこに目に見えないものをどう形を借りて落とし込むかの取り組みでもある。そういう中で、人が本能的に意識を共通させる形ととして水（雨）の形を選び、静止するメディアである彫刻への新しいアプローチとして、可変する彫刻を目指した。
天地を繋ぎ落ちる一瞬の水。仮象は水のように姿を変えて、あちらこちらに満ちている。